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ジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』(1936)

第 I 巻 はじめに


第1章 一般理論

(山形浩生
原文:http://bit.ly/raxUDK)

 この本に『雇用、利子、お金の一般理論』という題をつけたとき、強調したかったのはこの一般という前振りです。こういう題名の狙いは、私の議論や結論の特徴を、古典派理論1のものと対比させることです。私は古典理論を教わってきたし、行政や学術階級の人々による経済についての発想を、実務面でも理論面でも支配しているのが古典理論です。それはこの世代に限らず、過去百年ずっとそうでした。その古典派理論の公準は特殊ケースにだけあてはまり、一般の場合には当てはまらない、というのが私の主張です。そこで想定されている状況というのは、あり得る均衡位置の中でも限られた点だけを想定しているのです。さらに古典理論が想定する特殊ケースの特徴は、私たちが実際に暮らしている経済社会の特徴とはちがいます。だから経験上の事実に適用したら、古典理論の教えはまちがった方向を示して散々な結果を招いてしまうのです。


  1. 「古典派経済学者」というのは、リカードやジェイムズ・ミルとその先人を指す名称としてマルクスが発明したもの。つまりリカード派経済学に集大成される理論の創始者たちということになります。誤用のそしりを受けるかもしれませんが、私は「古典派」というと、リカードの後継者たち、つまりリカード派経済学理論を採用して完成させた人々を含めるものと常々思っています。(たとえば)J・S・ミル、マーシャル、エッジワース、ピグー教授などです。

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2011.12.25 YAMAGATA Hiroo (hiyori13@alum.mit.edu)


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