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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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無知に訴える議論
argument from ignorance
(argumentum ad ignorantiam)

無知に訴える議論は、論理的に不適切な誤りのひとつである。無知に訴える議論は、これは間違いだと証明されていないから正しい、とか、これは正しいと証明されていないから間違いだ、などと言い出すことである。ある意見の真偽は、それを裏付けたり論破したりする証拠にもとづくのであって、意見の逆を裏付けたり論破したりする証拠がないことでは決定できない。私はアインシュタインの相対性理論を正しいと証明することはできないが、私が証明できないということは、理論の真偽とはおよそ無関係である。私は宇宙人が地球にやってきたとする説を間違っていると証明することはできないが、だからといってこの説が正しいということにはまったくならない。

無知に訴える議論の誤りは、人は誰も無知であると言っているのではない。無知を知識がないことだと知っていれば、この誤りの名はソクラテスの`無知の知'と混同したり誤解したりはしないだろう。無知に訴える議論の誤りは、ある意見が真であると結論づけた場合、逆もまた真になる、ということを知らずに推論をおこなったときに生ずる。しかし、この誤りは`反論を裏付ける証拠がないことによって生ずる誤り'と呼ぶ方がいいかもしれない。

無知に訴える議論は、ないものねだりをするときには魅力的な道具だ。たとえば、アストラル・プロジェクションを信じる人たちは、彼らの信仰に対する反論には裏付けとなる証拠がない、したがって自分たちは正しい、と考えがちである。


参考文献

Kahane, Howard. Logic and Contemporary Rhetoric: The Use of Reason in Everyday Life, 8th edition (Wadsworth, 1997). $35.16

Copyright 1998
Robert Todd Carroll
Last Updated 10/30/98
日本語化 09/11/99

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