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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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共依存
codependency

もし死ぬときに、誰か他人の人生が走馬灯の
ように現れるなら、あなたはきっと共依存だ。

共依存は中毒の一種で、人間関係における中毒を指すのに用いられる語である。ドラッグやアルコールなど、本物の中毒に陥っている人を愛して献身的に尽くしてしまうような場合、その人は共依存に陥っているとされる。中毒患者は尽くされることで中毒に陥ったままでいられるため、尽くす側の人の行動によって症状の改善が妨げられる、といわれている。共依存という概念のもとでは、中毒患者に尽くすことはすなわち病的だということになってしまう。

共依存とは、中毒の一種、つまり人間関係における中毒を指すのに用いられる語である。ドラッグやアルコールなど、本物の中毒に陥っている人を愛して献身的に尽くしてしまうような場合、その人は共依存に陥っているとされる。中毒患者は尽くされることで中毒に陥ったままでいられるため、尽くす側の人の行動によって症状の改善が妨げられる、といわれている。共依存という概念のもとでは、中毒患者に尽くすことはすなわち病的だということになってしまう。共依存とは、例えて言うなら、意志の力だけで膨らんだりしぼんだりする風船のようなもので、その人の行動や、この世界での経験や、人生のありかたなどとはまったく無関係なものなのです。--キャロル・タブリス

こうした共依存のモデルは、メロディー・ビーティー(共依存よ、さようなら, Codependency No More)、パイア・メロディー(共依存との対決, Facing Codependency)、ロビン・ノアウッド(愛しすぎる女たち, Women Who Love Too Much)、アン・ウィルソン・シェーフ(共依存の誤解と間違い, Codependency, Misunderstood, Mistreated)など、何人かの著作によってよく知られるようになった。こうした人たちによると、共依存はたいてい幼時虐待を原因とする自己充足感の欠如に原因があり、ふつうは中毒患者を中毒に陥ったままの状態におくことで、病んだ他者へ尽くす自分自身(たいてい女性である)に存在意義を見いだそうとするのだそうだ。彼女たちによると、共依存は他の中毒と同様に、匿名アルコール中毒者がおこなっている12段階のプログラム [訳注] で治療可能である。

[訳注] 匿名アルコール中毒者は、アルコール中毒者やセラピストで組織された自己治療団体。

共依存という概念そのものが病的なもので、特定のセラピスト、とりわけ個人の問題の根をなんでも幼時虐待に求めようとする、``家族カウンセラー''を自称する人たちの間での流行にすぎない、と見なしている人もいる。こうしたカウンセラーが例に挙げるのは、だいたいこのようなものだ:幼時虐待は自己充足感の欠如を生み、ドラッグやアルコールの乱用につながるが、他者への依存も生じやすい。この中毒者も、もし虐待者のいない幸福な幼少期を過ごすことができていたら、大人としてすばらしい生活を送ることができただろう。--ドラッグ中毒や共依存、セックス中毒、その他もろもろお好みの中毒を抱えた人は犠牲者なのだ。中毒患者、つまり犠牲者は、助けを必要としているのである。手助けとなるよう保険が支払われるべきだ。カウンセラーは、``病気''の治療のために保険で賄われた諸々の中毒患者、つまり犠牲者と常に共にいるべきだ。社会はこのような、カウンセラーの仕事をサポートすべきだ、なぜならカウンセラーは善き意志を備えているし、私たちその他大勢と違って、患者を否定したりしないからだ。カウンセラーは、アル中や潜在的中毒、あるいはその他もろもろお好みの中毒であっても、自分たちの描いた幼時虐待モデルにうまくおさまるような中毒患者には、とりわけ寛大なのだ。

関連する項目:潜在意識による乱用治療(substance abuse treatment)



参考文献

読者のコメント

Babcock, Marguerite and Christine McKay, editors. Challenging codependency : feminist critiques (Toronto: University of Toronto Press, 1995).

Kaminer, Wendy. I'm Dysfunctional, You're Dysfunctional: The Recovery Movement and Other Self-Help Fashions (Reading, Mass.: Addison-Wesley, 1992).

Tavris, Carol. The mismeasure of woman (New York : Simon & Schuster,1992).

Copyright 1998
Robert Todd Carroll

日本語化 04/03/00

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