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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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ガンツフェルト実験
ganzfeld experiment

ガンツフェルト(``全域'')実験では、サイを検証するためにある種の知覚遮断をおこなう。被験者の目にピンポン玉を2つに断ち割ったものをかぶせ、耳にはヘッドホンをかぶせる。ヘッドセットを通じてホワイトノイズを流し、ピンポン玉を通じて明るい赤色光を当てる。こうすると、被験者がたいして時間をかけずに幻覚を生じるようになる。この時点で、別の部屋にいる別の人物に、短いビデオ映像といった視覚刺激を与える。そして彼は自分たちが見ているものについて、ガンツフェルト状態にある被験者へテレパシー送信を試みるのだ。

ビデオ映像やその他の視覚刺激は、膨大な選択肢の中から無作為に選ばれる。送信者は目標とする映像に集中する一方、受信者は自分の見た映像について随時、話して報告する。送信者が見た映像を被験者の見たものと比較する。そして``ガンツフェルト状態が終了したら受信者にいくつか刺激を与え(通常は4つ)、さらに送信された画像がどれかは告げずに、ガンツフェルト状態で経験した映像や心象とどれだけ一致しているか、各画像について判定させる。被験者が最も高い判定値を出したものが送信した映像と一致したら、``当たり''とする。したがって、もしこの実験が4つの視覚刺激からなる判定セットを使えば(つまり本物が1つと偽物あるいは対照刺激が3つならば)、当たりの期待値は確率から0.25となる。''[Bem and Honorton]

ガンツフェルト実験を創始した超心理学者チャールズ・オーナートンの仮説では、もしサイが存在するなら、送信者と受信者の映像が一致する割合は偶然より高くなるだろう、というものであった。オーナートンは、240名の被験者を用いたところ当たりの割合は全体のうち34%であったといった研究を報告した。これは偶然では起こりそうにない。問題は、これがサイによるものかどうか?だろう。そうかもしれない。なにか他の要因、たとえば被験者の年齢や性別といった、ビデオ映像やその他の視覚刺激の選択や、視覚的映像の内容やテーマに強く影響するような、なんらかの要因のせいかもしれない。可能性は低いが、偶然そういう結果が出ただけかもしれない。いずれにせよ、オーナートンがノーベル賞をとるには、その前に他の研究者がこの実験を再現して、現象を説明するのはサイだけだとする、きわめて説得力のある議論をつくりあげねばならない。



参考文献

How to Think About Weird Things, Theodore Schick, Jr. and Lewis Vaughn (Mountain View, California: Mayfield Publishing Company, 1995).

Copyright 1998
Robert Todd Carroll

日本語化 03/10/00

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