Robert Todd Carroll SkepDic 日本語版 |
人体測定学 anthropometry人体測定学とは、人類学的な分類と比較に用いるために、人の身体を測定する研究である。 19世紀から20世紀の初頭には、人体測定学はおもに顔の特徴から潜在的犯罪者を分類するのに用いられた疑似科学であった。たとえば、セザール・ロンブローゾの 犯罪人種学((Criminal Anthropology, 1895)は、殺人者には大きなあごがあり、スリは手が長くひげは薄いと述べている。顔の特徴で犯罪者を分類したユーゲン・ヴィドックの研究は、フランスで公表されてから1世紀近くが経過したが、いまだに使われている。 人体測定学が利用された中で、もっとも悪名高いのはナチスによるものだろう。ナチスの人口政策・民族福祉啓蒙局はアーリア人と非アーリア人の類別を、頭蓋骨やその他肉体的特徴の測定結果にもとづいておこなうよう推奨した。法律によって、人種証明書が必要とされた。ナチスはさらに人種差別政策にもとづいて、人種証明局を設置した。測定を拒否することは、結婚や労働の許可を受けられないだけでなく、多くの場合強制収容所に送られた。 今日では、人体測定学には多くの実用的な局面があり、ほとんどは良性のものだ。たとえば、人体測定学は栄養診断や子供の成長記録、そしてオフィス家具の設計に用いられる。 関連する項目:頭蓋計測学 (craniometry)、骨相学 (phrenology)。 参考文献Gould, Stephen Jay. The Mismeasure of Man (W W Norton & Co: 1993). $7.96 |
Copyright 1998 Robert Todd Carroll |
Last Updated 11/26/98 日本語化 09/12/99 |