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骨相学 phrenology (cranioscopy)
骨相学は、人の脳が性格や情緒、知覚、知性などの源であり、脳の位置によって担う精神機能が異なるという考え方を広めた。この点では、骨相学の意見は正しい。しかし、当時は死者の脳を研究するしかなかったため、骨相学者は異なる脳器官の構造と精神機能を類推して結びつけるほかはなく、その結果頭蓋骨の形状とも結びつけることになった。精神疾患を持つ人の脳について研究されることはほとんどなかったが、これらを研究していれば、特定の精神機能を担う脳の部位を特定するのに役立ったかもしれない。しかし骨相学では、精神領域の特定は恣意的におこなわれた。ガルの初期の研究は犯罪者と狂気に関するものであり、脳``器官''は彼のこうした関心を反映している。スパルツハイムはこうした``窃盗器官''や``殺人器官''を排除して、``博愛心''や``自己抑制''などで置き換えた。 骨相学は完全に消え去り、科学的メリットはないと見做されているにも関わらず、いまだに信奉者は存在する。骨相学は19世紀を通じて、特にアメリカで流行し、頭蓋測定学や人体測定学など、その他の疑似科学的性格診断を生み出した。スパルツハイムが1832年にアメリカへ外遊した時、ラルフ・ワルド・エマーソン、ホーラス・マン、ボストン医学会は、骨相学を称賛した。フォウラー兄弟社とサミュエル・ウェルズはアメリカ骨相学雑誌 American Phrenological Journal とライフ・イラストレイテッド Life Illustrated を1838年から1868年まで出版していた。エジンバラでは、クームの骨相学雑誌 (Phrenological Journal) が1823年から1847年まで出版されていた。骨相学の人気を示すものとしては、もう一つ、クームの人の構造 (The Constitution of Man) がある。この本は1928年から1868年までの間に30万部売れた。
関連する項目:フォアラー効果 (the Forer effect)、面相学 (metoposcopy)、人相学 (physiognomy)。 参考文献
Skrabanek , Petr & James McCormick Follies And Fallacies In Medicine (Buffalo, N.Y. : Prometheus Books, 1990). Gardner, Martin. Fads and Fallacies in the Name of Science (New York: Dover Publications, Inc., 1957), ch. 24, "From bumps to handwriting." $6.36 |
Copyright 1998 Robert Todd Carroll |
Last Updated 12/19/98 日本語化 09/28/99 |