Robert Todd Carroll SkepDic 日本語版 |
バニップ bunyipsバニップはオーストラリア のアボリジニの間で伝えられている、伝説の精霊または生物である。バニッ プは河や湿原、小川、billabongsに出没する。バニップは、近づく人間や動 物を食べて夜の恐怖をもたらすために生きている。バニップは夜大声で泣き 叫ぶことがよく知られており、またアボリジニはバニップが待ちかまえてい るかもしれない水源地には怖がって近寄りたがらないことが知られている。 バニップを目撃したという報告は白人入植者からも多数あり、このため未確認動物学者は今でもこの生物を探しているかも しれない。だがあいにく獲物を探し出すのは難しいかもしれない。というの も、アボリジニすべてがバニップを同じ姿形で描写しているわけではないか らだ。ある者はひげとたてがみの生えた巨大なヘビのような姿だと言うし、 長い首と鳥のような頭をした巨大で恐ろしげな半人半獣だと言う者もいる。 しかし、オーストラリア人のほとんどは、今ではバニップは伝説でしかない と考えている。科学者の中には、バニップはディプロトドンという約 二万年前に絶滅するまで実在した動物で、これが初期のオーストラリア入植 者を震え上がらせたのだと考えている。 ウーゲロー・ヌーヌッカル(キャス・ウォーカー)のストラッドブロー ク・ドリームタイム Stradbroke Dreamtimeによると、バニップはアボリ ジニの夢の時代からやってきた邪悪な精霊もしくは裁きの精霊だという。今 日、バニップは主にオー ストラリアの童話に現れ、たまにテレビコマーシャルに出演している。 [訳者コメント] このバニップにせよモケレ・ン ベンベにせよ、人食いお化けには水源地を住み家とするものが非常に多 い。友人の人類学者によると、こうしたお化けたちはおそらくマラリア蚊や ツエツエバエなどによる致死性の伝染病を象徴したものだ、という説がある そうだ。 参考文献
Noonuccal, Oodgeroo, Stradbroke dreamtime (Pymble, N.S.W. : Angus & Robertson, 1972). |
Copyright 1998 Robert Todd Carroll |
Last Updated 10/30/98 日本語化 02/01/00 |