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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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ブライディー・マーフィー
Bridey Murphy

1952年のあるうら寂しく暗い日、モーリー・バーンスタインはバージニア・タイエという女性に催眠術を施した。彼女はアイルランド訛りで話しはじめ、自分が19 世紀アイルランドのコークに住むブライディー・マーフィーという女性だと名乗った。その後、バーンスタインはバージニア/ブライディーに何度も催眠術を施した。催眠術の下で、彼女はブライディー・マーフィーとしてアイルランドの歌を歌い、アイルランドの物語を話して聞かせた。バーンスタインの著作 ブライディー・マーフィーの探究The Search for Bridey Murphy, 邦訳は第二の記憶 光文社) はベストセラーとなった。催眠術をおこなった時の録音は数十か国語に翻訳された。録音記録も良く売れた。アメリカの出版会では輪廻転生ブームがはじまった。

新聞各紙は調査のためにアイルランドへ記者を送り込んだ。19世紀アイルランドに、ブライディー・マーフィーという赤毛の女性が本当に生きていたのだろうか?そんなことを一体誰がわかるだろう。しかし、ある新聞--シカゴ・アメリカン紙--は20世紀のシカゴでそうした女性の存在を突き止めた。ブライディー・マーフィー・コークエルは、バージニア・タイエが育った家の、通りをへだてた向かいに住んでいたのである。催眠術の下でバージニアが述べたことがらは前世の記憶などではなく、幼い頃の記憶だったのである。催眠術下の精神状態がどのようなものであれ、それは幻想が生き生きと映し出されるような精神状態なのである。催眠術下でタイエは記憶を実に詳細に描写してみせたため、多くの人は感銘を受けたのだが、詳細な描写は前世回帰輪廻転生チャネリングの証拠とはならないのだ。これらは活発な想像力や、記憶の混乱や、虚言、あるいはこれらが合わさっている証拠なのである。

``催眠術で深いトランス状態に入ることのできる被験者は、ほぼ例外なく自分の前世について喋りはじめる。被験者は自分が死んだあと生まれ変わる人物についても、平気で喋るだろう。...被験者の過去を調べてみるといつも、被験者が若い頃に獲得しながら忘れ去っていた記憶が現れ出ているのだ。''とマーチン・ガードナーは述べている。

関連する項目:チャネリング (channeling)催眠術 (hypnosis)前世回帰 (past life regression)輪廻転生 (reincarnation)



参考文献

Gardner, Martin. Fads and Fallacies in the Name of Science (New York: Dover Publications, Inc., 1957), ch. 26. $6.36

Ready, W. B. "Bridey Murphy: An Irishman's View," Fantasy & Science Fiction 11, no.2, August, 1956, pp. 81-88.

Copyright 1998
Robert Todd Carroll
Last Updated 10/06/98
日本語化 11/25/99

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