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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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細胞記憶 cellular memory

``臓器移植によって人生経験の情報までが乗り移るなどとは、まったく考えられない。''
-- スタンフォード・メディカル・センター、ジョン・シュローダー博士

細胞記憶というのは、人体の細胞が、性格や味覚、経歴などの手がかりを、遺伝暗号や脳細胞とは別に備えているという、根拠のないアイデアである。このナンセンスなアイデアはブライアンの歌 Brian's Song ではじまったものらしい。これはフットボール選手ブライアン・ピッコロの人生を題材とした物語である。映画の中で、26歳のピッコロ(ジェームズカーンが演じた)はガンで死の床にあった。シカゴ・ベアーズのチームメイトであるゲイル・セイヤーズ(ビリー・ディー・ウィリアムズが演じた)は、彼を病院に見舞った。ピッコロは輸血を受けており、セイヤーズにも献血してくれるよう頼んだ。セイヤーズが承諾して輸血がはじまると、ピッコロはセイヤーズが回復を強く望んでいることがわかった。

あるいは、このアイデアはL・ロン・ハバードが始めたのかもしれない。彼はダイアネティクスの中で、エングラムが働く仕組みを細胞記憶によって説明できるかもしれない、と述べている。

もっと最近では、心肺移植を受けたクレア・シルビアは突然生じるビールへの欲求を、バイク事故で死亡した18歳の男性ドナーが原因であると記している。彼女はこのことについて本まで著しており、まもなくサリー・フィールド主演で映画化される。喜びの原理 The Pleasure Principle を著した心理学者ポール・パーソルも、細胞の記憶と移動の理論に一票を投じている。パーソルはさらに自説を展開し、``心臓は精妙な知識を備えていて、私たちとその周囲のものすべてを結びつけている。この凝縮された知識こそ、我々の精神であり、魂なのだ....心臓は意識を持ち、思考し、感じとり、伝達する器官なのである。''いったい何を根拠にして、こんなことを言えるのだろう。きっと宇宙人か東洋の賢者にチャネリングして教わったのだろう。あるいは、エンダ・ブキャナンのフィクションを読んだのだろう。そこではこう書かれているのだ:``魂がDNAにおさまっているならどうする?DNAが魂におさまっているならどうする?''

シルビア・ブラウンは、サクラメントで身体と心と魂のヒーリング Healing Your Body, Mind & Soul という代替教育プログラムを教えている。1回 2時間の講義で、ブラウン女史は``細胞内の遺伝情報に直接アクセスし、情報を書き換え、普通の身体へと プログラムし直す方法''を受講者すべてに教えている。非常識な主張にもかかわらず、彼女の講座は満員となった。

それでは、鳥肉をたくさん食べたらどうなるのだろうか?くちばしが生えてきて、あたりかまわずコッココッコと鳴きだし、ふすまを食べたがるのだろうか?糖尿病でブタやウシのインシュリンを使っている隣人は、夜中にブーブー、モーモーと鳴いたりするだろうか?心臓病の子供にヒヒの心臓を移植するとは、可哀相なことをするものだ。

関連する項目:共感マジック sympathetic magic



参考文献

"Do Cells Remember?" by Pam Janis

Copyright 1998
Robert Todd Carroll
Last Updated 10/30/98
日本語化 02/02/00

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