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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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共感マジック
sympathetic magic

共感マジックは、似たものどうしは影響しあうという形而上学的信念にもとづいている。占いのほとんどは、共感マジックにもとづいている。内臓や星々、投げた土くれ、紙束、あるいは手のひら(生命線などと称する)などに現れた線や形やパターンは、経験的世界--つまり過去、現在、そして未来--と神秘的な結びつきをもっている、と信じられているのだ。共感マジックはブードゥーでおこなわれているような、人形を敵になぞらえて針を刺したりする行動の素地にもなっている。人形にピンや針を刺せば、人形になぞらえた相手にも神秘的な力で痛みや病を生じさせる、と考えられているのだ。

共感マジックは心霊捜査をおこなう霊能者の主張の素地にもなっている。彼らは犠牲者の持ち物に触れるだけで、その犠牲者と霊的に接触できる、と主張している。バリー・バイヤースタインは、たとえば``共鳴(resonance)''といったニューエイジの主張の多くにとっては、共感マジックが基本となっている、と信じている。この``共鳴''とは、ある2つのものごとを心で思い描けば、これらは神秘的な力によって互いに影響しあう、というニューエイジのアイデアだ。またベイヤースタインは、筆相学のアイデアの多く、たとえば字間に広い空白を取るのは孤立と孤独を示している、なぜなら広い空白は容易には溶け込もうとせず親密さを不快に思うことを示すものだからだ、などといったアイデアは共感マジックとたいしてかわらないと指摘している。筆跡学者の中には、もし`t'の字の横棒をムチのように書いたら、それは筆者のサディステックな性格を示しているのだ、とまで主張する者までいる。

共感マジックは、おそらくカルマシンクロニシティや、あるいは打ち負かした敵の勇者の心臓を食べる行為、洞窟に描いた獲物めがけてやりを投げる行為、狩猟の前にトナカイの角をかぶる行為、豊作を祈願しておこなわれる屠殺儀式、参加者に神性を注ぎ込むためにおこなう霊的交感の儀式などの素地にもなっている。共感マジックはホメオパシーや遠隔ヒーリングの素地にもなっている。

人類学者は、魔術的思考は科学的思考の前駆だと考えている。原因と結果を理解することによって自然を支配しようとしていることを示しているからだ。しかし、魔術がとる手法は、たしかに経験的かもしれないが、科学的ではない。こうした思考は、何千年も前に生きていた私たちのご先祖がやっていた頃は魅力的だったかもしれない。だが現代では、魔術的思考は科学や、この世界を検証によって理解するということにたいする根深い無知や無頓着を示しているように思える。私たちのうちほとんどは、しばしばこうした原始的な思考法に意図せず陥ってしまう。だがほんのちょっと考えれば、こうした罠から抜け出すことができるのだ。カキには催淫効果などないし、ちょっとした幸運がその日に買う宝くじなど他のことがらに影響することなどもないし、恋敵の写真を刺しても彼女は傷ついたりはしない。真の恋人からもらったお守りをなでると、そこに相手がいるような気分になる。たしかにこれは事実かもしれない。だがそうした感情は、たとえ魔法のように感じられても、形而上学的なものというよりはむしろ生物学的・心理学的なものだろう。そしてたとえ自分の名前を Dirk Studmuffin なんぞへ変えてみたところで、宇宙は微動だにせず、そのままなのだ。

関連する項目:魔術 (magick)



参考文献

Beyerstein, Barry. "Graphology," in The Encyclopedia of the Paranormal edited by Gordon Stein (Buffalo, N.Y.: Prometheus Books, 1996), pp. 309-324.
$104.95

Beyerstein, Barry and Dayle F. Beyerstein, editors, The Write Stuff - Evaluations of Graphology, the Study of Handwriting Analysis (Buffalo, N.Y.: Prometheus Books, 1991).  $21.56

Copyright 1998
Robert Todd Carroll
Last Updated 11/23/98
日本語化 02/25/00

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