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Robert Todd Carroll

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頭蓋整骨療法 craniosacral therapy

頭蓋整骨療法(別名 頭蓋療法、頭蓋整骨)は 全体論的療法のひとつで、これには頭骨(頭蓋 cranium)と仙骨 sacrumを操作して痛みを抑えたり、そのほかガンを含むもろもろの病気を治療するものである。(仙骨とは胸郭後方の腰椎と臀部の尾椎の間にある骨で、脊柱を形成する5つの癒合した椎骨でできている。)頭蓋整骨療法は1930年代に整骨治療師 ウィリアム・G・サザーランドが発明した。もう一人の整骨治療師 ジョン・アプレガーは、現在の頭蓋整骨療法の主導的提唱者である。ほかの全体論的療法と同様に、頭蓋整骨療法もエナジーやバランス、リズム、流 れといった主観的概念を強調している。

頭蓋治療師は、頭骨や仙骨、脳脊髄液とそれを包む髄膜に内在する頭蓋骨の``リズム''を知ることが出来ると主張している。これらのリズムのバランスと流れこそが健康に必須なのだと考えている。リズムは治療師の手で測定する。リズムに生じた変化や加えられた影響も、治療師の手でしか測定できないのだ。リズムもその変化も、機械では測定しない。健康と不健康をつかさどるリズムなど、いままでに機能的にも客観的にも見いだされていないためである。測定も治療も、それに治療完了を宣言するのも、すべて主観にもとづいているのだ。ある治療師はこのように述べている:

治療のあいだ、患者はふつうテーブルに寝そべる。治療師は身体にいくつかある``調査地点''に触れて、エナジーのパターンを調査する。そして今日はどこからはじめるか、どの治療を重点的にやるか決めるのだ。 [Woodruff]

同じ治療師は、頭蓋整骨療法は治療効果を信じない者には``時間とカネの無駄''だと主張している。もっとも、治療が成功するとしてもそれはプラシーボ効果主観的な評価のせいだろう。

懐疑論者としての意見。頭蓋骨は可動部品で出来ているわけではない。あごの骨とは違うのだ。それに、頭骨や脳脊髄液のリズムは循環器系に起因するもの以外存在しないのだ。実際に何人かの治療師を試してみたところ、頭蓋のリズムにかんする診断は整骨治療師のあいだでさえ一致していなかったのだ。

関連する項目:``代替''療法 ("alternative" health practices)カイロプラクティック (chiropractic)手かざし (therapeutic touch)



参考文献

Copyright 1998
Robert Todd Carroll
Last Updated 10/30/98
日本語化 12/10/98

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