ウスペンスキー Petyr Demianovich Ouspensky (1878-1947)
ウスペンスキーは数学者で、グルジエフをキリストとするなら、その聖パウロ役を演じた神秘主義者。主人のオカルトやしばしば意味不明なアイデアを採りあげて、これらをわかりやすいものにした。神秘の探究--神秘の教えの断片(In Search of the Miraculous--Fragments of an Unknown Teaching)や、第四の道-- G・I・グルジエフの教えにもとづく対話と質問への解答の記録(The Fourth Way---A Record of Talks and Answers to Questions based on the teaching of G. I. Gurdjieff)といった著作がなければ、グルジエフのアイデアが理解されることはけっしてなかっただろう。
だが聖パウロと違って、ウスペンスキーは最後には主人への忠誠を失ってしまった。ウスペンスキーが通常人の研究協会(the Society for the Study of Normal Man)を設立して独自に信者を募ったのは、おそらくグルジエフの人の調和的発展研究所(The Institute for the Harmonious Development of Man)に対する彼の答えなのだろう。ウスペンスキーはニューエイジのお気に入りの一人として生き残っているが、これは彼がタロットの表象学:図像と数字における神秘主義の哲学(The symbolism of the tarot : philosophy of occultism in pictures and numbers)、テルティアム・オルガヌム:思考における第三のカノン:世界のエニグマへの鍵(Tertium Organum : the third canon of thought : a key to the enigmas of the world)といったタイトルの本を書き、東洋の神秘主義を西洋の合理主義と融合させる試みをおこなったからだろう。
関連する項目:グルジエフ (Gurdjieff)。
参考文献
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