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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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幽体離脱体験 out-of-body experience (OBE)

幽体離脱体験とは、意識が肉体を離れたり、世界を肉体の外から眺めたり する経験である。

身体がある場所にとどまったまま、意識だけがあちこちを旅して回るのは、 なにも神秘的でも不思議でもない。ほとんどの人は、これを毎晩、夢という かたちでやっているのだ。私たちの多くは外国やエキゾチックな場所につい て白日夢を見たりもする。ある種のドラッグで、こうした夢を見る人もいる。 脳の機能障害でこうした経験をする人もいる。懐疑論者にとって、幽体離脱 経験は夢や想像、ハッシシやLSDなどのドラッグ、病んだ脳や死につつある脳 で自然に起きる化学的変化が原因である。

幽体離脱を経験によって、ふつう以下のようなことがらが説得力を持って 聞こえるようになる。
(a)意識が肉体と別の属性を持っていて(二元論 )、少なくとも短時間は肉体がなくても存在しうる。
(b)肉体を離れた意識は、ものごとを`見たり'、`聞いたり'、`感じたり'、 あるいは`味わったり'、`匂いをかいだり' もできる。
あるいは、脳と意識はいまだに解明されていない不思議な生理的能力によっ て、離れた距離でもうまく働くし、ものごとを認識できる、と思うかもしれ ない。それとも、神知論者は正しいのかも、 と思うかもしれない:幽体離脱のときに肉体を離れるのが、アストラル体なのかもしれない、というふうに。

幽体離脱体験がよく起きるのなら、身の回りの、そこかしこに意識がうよ うよしてるんだろう、と考えるだろう。毎日毎晩、身体を離れてさまよい出 る魂の数は、何千何万にのぼるだろう。たまに魂が混じりあったり、間違え て他人の身体に戻ってしまうのもあるんじゃないか。少なくとも、たましい に見捨てられて、そこらにのびているような身体もあるはずだ。それに、別 人の身体に入ってしまったせいで自分が何者だかわからなくなってしまい、 困っているたましいもいるはずだ。う〜ん。たぶん、そこまで厳密に調べる ようなことじゃないかもしれないが。

それにも関わらず、ウィリアム・バルマンは、肉体を離れた旅行者の世界 に、あえて投資してきた。バルマンは、彼の著書 Adventures Beyond the Body の宣伝文句や、幽体離脱ワークショップでは、""幽体離脱体 験に関しては、アメリカの指導的立場にあるエキスパート""なのだ。まとも な認定資格を持つ催眠療法師であるバルマン は、``自発的な幽体離脱体験を使って、精神的アイデンティティを探求した り精神的・肉体的生命を強化できる''と公約している。バルマンの言うアス トラル・トラベルは、``意識を拡大し''、過去から連なる生命を持っている ことを確信させてくれるそうだ。もっとも大事なのは、幽体離脱体験で``日々 の生活を強化''できることだ。そして、臨終を待つときにこれをおこなうの は意義深いのだ、としている。

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参考文献

読者のコメント

Blackmore, Susan J., Beyond the Body: an Investigation of Out-of-Body Experiences (London: Heinemann, 1982). $10.40

Blackmore, Susan. Dying to Live: Near-Death Experiences (Buffalo, N.Y.: Prometheus Books, 1993). $18.17

Grof Stanislav. Realms of the Human Unconscious: Observations from LSD Research (New York: Viking Press, 1975).

Sacks, Oliver W. The Man Who Mistook His Wife for a Hat and Other Clinical Tales (New York: Harper Perennial Library, 1990). $10.40

Siegel, Ronald K. Fire in the Brain : Clinical Tales of Hallucination (New York: Dutton, 1992).

Copyright 1998
Robert Todd Carroll
Last Updated 11/21/98
日本語化 09/06/99

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