Robert Todd Carroll
SkepDic 日本語版
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クリプトムネシア
cryptomnesia
クリプトムネシアとは、字義通りに言えば、隠された記憶である。この語は、人々は本当にあったと信じているが、じつはすでに忘れられた出来事の記憶にもとづいている、そうした経験がどこから生じるのかを説明するのに用いられる。催眠術で誘導される、いわゆる前世回帰 のほとんどは、クリプトムネシアで与えられたコンファビュレーション の内容となることが多い。たとえばバージニア・タイエの、アイルランド コーク州のブライディー・マーフィー(Bridie Murphey Corkell)にかんする催眠記憶は、計画的な詐欺でなければ、彼女自身が以前経験したが、すでに忘れてしまった出来事の記憶だろう。
ヘレンケラーや、ビートルズのジョージ・ハリスンといった人達の明白な剽窃行為が、どのように生じたのかも、クリプトムネシアという隠された記憶の仕組みで説明できるかもしれない。ハリスンは、シフォンの曲``He's So Fine''を故意に剽窃して自分の曲``My Sweet Lord''を作ったわけではないだろう。ケラーも、``The Frost King''を書く時に、マーガレット・キャンビーの``The Frost Fairies''を故意に剽窃したわけではないのだろう。両者とも、たんにこれら問題の作品を読んだという経験が、記憶の中に意識として残っていなかっただけなのかもしれない。
参考文献
Baker, Robert A. Hidden Memories : Voices and Visions from Within (Amherst, N.Y.: Prometheus Books, 1996). $14.36
Schick, Jr., Theodore and Lewis Vaughn, How to Think About Weird Things (Mountain View, California: Mayfield Publishing Company, 1995), ch. 3.
"Voices from Beyond: The Age-Old Mystery of Channeling," by Ted Shultz in The Fringes of Reason, ed. Ted Schultz (New York: Harmony Books, 1989).
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