ジョイタッチ
Joy touch
ジョイタッチ(歓びに触れる)はピート・サンダースが開発した瞑想法である。ジョイタッチは減量や気分の向上、リラックス、禁煙などの手助けとなり、生命に危険を及ぼす疾病にかかったり歯医者の世話になったりするのを軽減する。また恐怖心や偏執症を克服し、肉体を超越し、ドラッグを断ち切り、日々現れるイライラやむかつきを抑える、などなど。
ジョイタッチは、「オーム!」と静かに唱えながら額の真ん中にある第3の眼で瞑想するという、古式ゆかしい瞑想法だ。サンダースがひねったのは、額の真ん中から脳の真ん中(透明中隔のある場所)までの線をイメージできるようにしたことだ。そして頭脳の宗教として磨き上げられたものを想像してもらえばいい。
サンダースはより高次の意識を求めるニューエイジのメッカとなっているアリゾナ州セドナで、自身のジョイタッチの発見を教えている(2時間半の講義で25ドル)。彼は自身を心理学者だとか心理療法師だとか主張しない、はえぬきの信仰治療師である。(彼はMITで生物医学の学士資格を取得したと主張している。)彼は 君こそ霊能者だ! (You Are Psychic!)の著者でもある。
サンダースはジョイタッチの背景にある``科学的''理論をこのように説明している:視床下部を遠隔操作するためには透明中隔(septum pellucidum)を用いる。視床下部は一般に脳の快楽中枢と考えられている場所だ。透明中隔は視床下部と神経結合しており、これを直接刺激する。歓びの感情はほんの2、3秒で現れ、5〜30分間は持続する。もちろん、どの感情もプラシーボ効果のせいかもしれない。
批判精神をもって考えるなら、オッカムの剃刀を使って透明中隔から癒しの刺激が送られるなどという不必要な機構をまず排除して、視床下部そのものを直接刺激してみて、このありそうにない癒し刺激がはたして生じるかどうか、と考えるだろう。だがここで注意しておく:これは家庭で一人でやらない方がいい!サンダースによると、視床下部は大脳縁辺系の怒り中枢や不安中枢と非常に近い位置にあるため、視床下部を直接刺激するとバックファイヤーが起きるかもしれないそうだ。泰然たるアタラクシアの境地にいたる代わりに怒りと混沌の境地に入ってしまい、それこそ回復不能になるかもしれないのだ。こいつはあなたの健康にとってたいへん危険なことだ。もっとも、ラジオやテレビの一言文句を言わせろコーナーで、新たなキャリアを見出すことができるかもしれないが。
関連する項目:代替療法 (alternative health practices)、プラシーボ効果 (the placebo effect)、自己欺瞞 (self-deception)。
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