面相学
metoposcopy
面相学とは、顔のし
わ、とくに額にできたしわから人の性格を読み取るものである。面相学は占星術と組み合わせて
占いの一つとしても使われる。この疑似科学
は16世紀の偉大な数学者、物理学者、そして占星学者でもあった、ジェ
ローモ・カルダノ(1501-1576)によって発明された。伝説では、カルダノは
自分の死期を示した占星学を自ら否定して愛する占星術を汚すのを嫌い、75
歳で餓死する道を選んだといわれている。
ここにあげた絵はカルダノの面相学(Metoposcopia)の中で描か
れたものの1枚で、額のしわの上にある惑星の位置を示している。彼が最初
に著した臨床学の記述と違って、額のしわを読み取るというカルダノの科学
が人気を集めることはなかった。
もし面相学になんらかのメリットがあったとしたら、カルダノはきっと愚
か者たちの救済者として称賛を浴びていただろう。彼は、顔のしわを見れば、
どの女が売女か、そしてどれが淫乱女かもわかると宣言したのだ。いかさま
師たちもカルダノに借りをつくることになっただろう;というのも、カルダ
ノは正直者と嘘つきも顔のしわでわかると言っていたのだ。一方、額にゆる
やかなカーブを描いたしわが3本あったら、それは救い難いまぬけの証拠だ、
とカルダノは警告した。もしこれが事実だったら、多くのまぬけたちが震え
上がることになっていただろう。カルダノは合計約800人の面相を調査し、こ
れらを占星学的なサインとその人の気質や性格と関連づけた。電話帳で調べ
てみたところ、面相学はひとつもリストに載ってはいなかった。
関連する項目:人相学(physiognomy)
、骨相学(phrenology)。
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