Robert Todd Carroll SkepDic 日本語版 |
病的科学 pathological scienceノーベル賞化学者 アービング・ラングミュアは、死去する数年前にジェネラルエレクトリック社のクノール原子力研究所で、``病的科学''についての講演を行なった。彼はブロンドローのN線など、いくつかの例を挙げて、病的科学を以下のように規定している:
A・クローマーは病的科学の持つ上記の特徴について、以下のようにコメントしている:
ラングミュアの考察は、プリオンや常温核融合、ゼロ点エネルギーといっ た、議論の分かれていることがらを科学者は避けるべきである、ということ を意味しているのだろうか?いいや。ここから言えるのは、すべての 科学者は、いかなる研究も注意深く仮説を立てながら、科学の歴史に ついてよく認識しながら行なわねばならない、ということである。そして、 もっとも優れた人間さえも容易に正道から逸脱させてしまう人間の本質的傾 向を、よく知っておくべきである、ということなのである。ラングミュアの 考察からは、こうしたことも言える:素晴らしい理論を自分自身や他人が誤 りだと証明することにはほとんどまったく関心を示さず、その一方でどんな 反論にもその場限りの仮説を使って言い訳をしようとするなら、仮にそれが 疑似科学でなかったとしても、病的科学の兆 候となる。 関連する項目:ブロンドローとN線 Blondlot and N-rays 参考文献Cromer, A., "Pathological Science: An Update," Skeptical Inquirer, SUMMER 1993 (vol 17, no. 4). "Pathological Physics," Physics Today, October 1989. |
Copyright 1998 Robert Todd Carroll |
Last Updated 11/22/98 日本語化 09/17/99 |