リフレクソロジー
reflexology
病気の診断と治療のために足の研究とマッサージをすること。リフレクソロジーは、両足の各部位が身体の各部分の状態を反映しているという、具体性のない信仰にもとづいている。たとえば足の親指は頭を反映していて、頭の``反射領域'' と考えられている。アイリドロジーが身体を虹彩にマッピングするのと同様に、リフレクソロジーは身体を足にマッピングする。右足は右半身に、左足は左半身に対応するというわけだ。身体全体が足に現れるのだから、リフレクソロジストは自身を足の医師ではなく``ホーリスティック''健康治療師だと考えている。古代の中国人やエジプト人はリフレクソロジーを行っていたのだそうだが、オランダでは現在でもたいへん盛んである。
リフレクソロジーの治療師は、足にある正しいリフレックスのツボをマッサージしてさまざまな痛みを治癒できる、と主張している。実践家によると、リフレクソロジーは偏頭痛を治癒したり蓄膿症を軽減できたりするのだそうだ。ホルモンのアンバランスを整えて、呼吸器系・消化器系疾患を治癒しするという。腰痛の場合、右足のしかるべきツボ(場合によっては左足かもしれないが)をマッサージすれば痛みが和らぐのだそうだ。循環器系の問題や緊張・ストレスを抱えている場合、リフレクソロジーならすぐに直るという。
リフレクソロジーには数多くのバリエーションがあり、それぞれいろいろな名前が付いている。ゾーン・セラピー、バキュフレックス、ヴァイタ・フレックス、カイロポディー(後者はアメリカでは`ポディアトリー'と同じ意味で、正当な医療の意味で用いられているが)、などなど。リフレクソロジーは、鍼治療、指圧、ヨガ、太極拳など、他の療法と組み合わせて用いられることも多く、足だけでなく手やその他の部位も含むことが多い。リフレクソロジーの主張の多くは、鍼治療のバリーエーションと見なすことができる。つまり、特定のツボと身体器官への気の流れには関係がある、というものだ。リフレクソロジーの変種である極性療法では、陰陽の対立という概念を体の両側が持つ正負のエネルギー価なるものに置き換えている(右半身が正のエネルギー価なのだという)。マッサージによってエネルギーのバランスを整えるのだ、と主張している。極性療法では、足は数多くのツボの一部をなしているにすぎない。
体の各部分が両足の特定の部分に対応しているという主張に、科学的根拠はあるのだろうか?なにもない。足や首、腕、などをマッサージすることで気分がよくなるという根拠はあるか?ある。身体の各側に気や陰陽、二価的な生体の電荷やエネルギーなどが存在するという証拠はあるか?なにもない。これほど多くの人がこうしたことを信じるのは、いったいなぜだろうか?彼らはこうしたことを信じたいから。信じたいから、奇跡の治療にまつわる証言を無批判に受け入れてしまうのだ。一見すれば効いたように見えるのだが、効いたと思えるのがプラシーボ効果や診断ミス、自然治癒、患者の思い込み、あるいは因果関係のこじつけなどのせいだという可能性を探ろうとはしないのだ。
いずれにせよ、頭をぶつけたらつま先も痛むし、つま先をぶつけたら頭痛がする。なぜそうなるのか、これでよくわかっただろう。そうだろ?
関連する項目:代替療法 (alternative health practices)、マッサージ療法 (massage therapy)。
参考文献
Barrett, Stephen and William T. Jarvis. eds. The Health Robbers: A Close Look at Quackery in America, (Amherst, N.Y.: Prometheus Books, 1993), $18.87
|