Robert Todd Carroll SkepDic 日本語版 |
組織的強化 communal reinforcement組織的強化とは、ある主張が組織や共同体のメンバーによって繰返しなされることによって、強固な信念へと変化するプロセスを指す。このプロセスは、主張が正しく調査されたかどうかや、真っ当な人々が十分信ずるに足ると保証した、経験的データによって裏付けられているかどうかとは無関係に起こる。しばしば、マスメディアは主張を無批判に支持することで、このプロセスに関与する。さらに、マスメディアは検証も根拠もない主張にたいして、それがおよそ奇妙きてれつなものであっても、懐疑的なコメントを何一つおこなわない。こうして暗黙の了解というかたちで支持する場合は、ずっと多い。 例には事欠かない:エイリアン・アブダクション、アストラル・プロジェクション、人種差別思想、前世回帰、子供は正確無比な記憶を持っている説、子供は本当のことをめったに言わない説、エドガー・ケイシー は心霊治療の力を持っている、インドのヨガ行者は死んでも腐らない、人が宙に浮いた、ビジュアライゼーションやユーモアでガンは予防できる、動物にはESPを持つものがいる、霊能力で外科手術をして内臓から腫瘍を摘出できる、FBIはアメリカ中の電話をすべて盗聴している、軍がわれわれの尻にマイクロチップを埋め込んで望むまま操ることができる、ロシア軍がメキシコ国境に集結してアメリカ侵攻と国連奪取の日を待っている、ユダヤ人は世界の力と富を支配している、銃が禁止されたらそのうちすべての武器は禁止されて、宗教も楽しみも人権もない全体主義の時代が始まる、などなど。 組織的強化は、およそ言いようのない奇妙な論理が、どうやって国中に何世代ものあいだはびこるのかを説明してくれる。また、セラピストや社会学者や、心理学者、神知学者、政治家、トークショウの熱心なファンなどのあいだでは、証言が他の証言によって強化されていき、しまいには公正なグループによる科学的な研究や正確なデータの蓄積より強力になってしまうが、こうしたことがなぜ起きるのかも説明してくれる。 関連する項目:その場しのぎ仮説 (ad hoc hypotheses)、コールド・リーディング (cold reading)、確証バイアス (confirmation bias)、オッカムの剃刀 (Occam's razor)、プラシーボ効果 (the placebo effect)、因果の誤り (the post hoc fallacy)、選択的思考 (selective thinking)、主観的な評価 (subjective validation)、証言 (testimonials)、ないものねだり (wishful thinking)。 参考文献組織的強化によって強い影響を受けた信念には、たとえば以下のことがらが含まれている:
マスメディアが超自然現象や疑似科学、オカルトについて何一つ懐疑的でない例については、Mass Media Bunk を参照。 |
Copyright 1998 Robert Todd Carroll |
日本語化 02/25/00 |